普段わたしたちは何も考えることなく食事をし、会話をしています。
しかしこれらを可能にしているのは、唾液のおかげだということをご存知でしたか?
唾液はわたしたちが“普通の生活”を送る上で欠かせない役割を果たしています。
今回は、普段あまり注目されることのない唾液のすごい力について解説していきます。
唾液は1日に1リットル~1.5リットル分泌されます。おもな唾液腺は3つあります。
・舌下腺
・顎下腺
・耳下腺
これらを3大唾液腺と呼びます。
昼間や刺激されたときに唾液は多く分泌されますが、夜間の寝ている間は唾液の分泌量は減少します。
唾液の成分のほとんどは“水分”です。99.5%は水分です。
残りの0.5%は、カルシウム、リンなどの無機成分、ムチンやラクトフェリンなどの有機成分で構成されています。
唾液は具体的にどのような役割を果たしているのでしょうか?
【1】自浄作用
唾液の自浄作用によって、お口の中を清潔な状態に保てるように助けてくれます。
食べ物などを洗い流してくれ、口臭を抑えてくれます。
【2】湿潤作用
唾液の中に含まれる水分や、ムチンのおかげてお口の中は常に潤っています。
粘膜が潤っているから、スムーズに会話したり、食事をすることができます。
【3】粘膜保護作用・粘膜修復作用
唾液のおかげてお口の中が湿っていると、食べ物などで粘膜を傷つけないように守られます。
またたとえ粘膜に傷がついたとしても、唾液の働きのおかげで体の他の部分よりも早くに治癒します。
【4】消化作用
唾液の中に含まれる“酵素アミラーゼ”は、食べ物の中に含まれるデンプンを分解してくれます。
【5】pH緩衝作用
お口の中に食べ物や飲み物が入ると、pHは酸性に傾きます。
酸性の状態が長く続くと、むし歯になりやすくなります。
しかしだえきには酸性に傾いたお口の中を中性に戻そうという働きがあるため、むし歯にすぐにならないように守られます。
【6】再石灰化作用
お口の中が酸性に傾くと、エナメル質のカルシウムや輪などの無機成分が流出します。
これを“脱灰”といいます。唾液は流れ出たカルシウムなどがまた再び歯に戻るように助けてくれます。
これが再石灰化作用です。
【7】 溶解作用・味覚作用
舌で味を感じますが、食べ物や飲み物が唾液と混ざって初めて舌で味を感じることができます。
唾液にはこれだけの大切な働きがります!
唾液の分泌量を増やすためにも、こまめに水分補給しましょう。
摂津市・井高野の歯医者
ひかり歯科クリニック摂津院 院長 宮地 久崇