これから夏に向けて炭酸が美味しくなってきますね。
中には、健康のために水ではなく炭酸水を飲む方も増えているようです。
無糖であれば歯に影響もないと思うかもしれませんが、炭酸水は歯にダメージを与える危険があります。
今回は、意外と知られていない“酸蝕症”についてのお話です。
歯は酸に弱いです。
お口の中は通常、pH7.0の中性に保たれています。
しかし食べ物や飲み物がお口の中に入ってくると、pHは酸性に傾きます。
pH5.5以下になると、歯の表面のエナメル質の中からミネラル成分が溶け始めます。
これを臨界pHといいます。
その後唾液の働きのおかげで30~40分ほど時間をかけて中性に戻っていき、溶け出したミネラル成分も再びエナメル質へと戻っていきます。
この現象を再石灰化と言います。
しかしダラダラと長い時間食べたり飲み続けると、唾液の中和作用が追いつきません。
エナメル質が溶け続けるのです。このような状態を“酸蝕症”と言います。
炭酸水そのものには糖分が含まれていないため、歯には影響がないと思う方は多いですがそれは間違いです。
炭酸はその名の通り“酸性”の飲み物です。
レモンはpH2.0なのでかなり酸性度が強いですが、炭酸水はそこまで酸性度は強くありません。
それでも市販されている炭酸水の多くはpH5.0前後です。
ときどき飲んだりする分には問題ありませんが、水代わりにいつも飲むなら、エナメル質の臨界pHより低いため徐々に歯が溶けていきます。
無糖だから良いと思って飲み続けると、酸蝕症になる危険性があるのです。
通常の炭酸水は弱酸性ですが、柑橘系フレーバーの場合はさらに酸性度が高いため注意が必要です。
炭酸水は弱酸性ですが、その他の炭酸飲料水は酸性度が強いです。
例えばコーラが大好きという方は多いですが、コーラのpHは2.0です。
レモンと同じほど酸性度が強いです。
よく「コーラを飲むと歯が溶ける」といいますが、それはこのpHの低さにあるのです。
実際、コーラの中に抜いた歯を入れたまま2日間放置すると、歯はゴムのように柔らかくなります。
栄養ドリンクもpH3.0、スポーツ飲料もpH3.5ですから、酸性度が強いです。
スポーツの合間の水分補給にスポーツドリンクや炭酸ジュースを飲む方は多いと思いますが、酸蝕症を招く恐れがあるので危険です。
夏のビールは美味しいですが、ビールもpH4.0~5.0です。
すべてのことに言えますが、飲み過ぎは歯にも悪影響を与えます。
適度に飲む分には問題ありませんが、飲み過ぎにはくれぐれも注意しましょう。
酸触症は早期発見・早期治療 が重要です。定期的に歯科検診を受けましょう。
ひかり歯科クリニック摂津院では定期的な歯科検診を受診することをオススメしています。
定期的に検診を受けることで治療にかかる経済的・身体的な負担を軽減することができます。
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