まだまだ夏の盛りといった気候ですが、暦の上ではもう少しで9月。
秋がやってきます。
「スポーツの秋」「芸術の秋」と並んで、外せないのが「食欲の秋」。
秋には旬の食材がたくさんありますね。
サンマや栗、さつまいもにきのこ、新米、ぶどうや梨など、食卓を彩る旬の食材が豊富に揃う秋は、気温も夏の猛暑よりは落ち着き、落ちていた食欲が回復して「つい食べすぎてしまう」なんてこともある季節です。
四季折々の食材を楽しめることは、日本の大きな魅力ですが、その中でも秋は特に「美味しい誘惑」が多い時期といえるでしょう。
栄養が豊かで、体に嬉しい食材が揃うこの季節。同時に歯の栄養補給もしてみませんか?
「食欲の秋」を楽しむためには、やはり歯が健康であることが欠かせません。
どれだけ美味しい食材も、歯が痛んでしまっては存分に味わえませんよね。
むし歯は、口の中の細菌が食べ物に含まれる糖分を分解し、酸を作り出し、歯を溶かしてしまうことで起こります。
そのまま放っておくと、歯の内部にまで達してしまい、果てには抜歯ということもあります。
特に秋は、スイーツや果物など糖分を多く含む食材を食べる機会が増える季節。油断すると、むし歯リスクも高まります。
ただし、むし歯は正しい知識と習慣でしっかり予防することができます。
毎日の歯磨きや定期的な歯科検診に加え、「何を食べるか」にも気を配ることで、歯をより丈夫に保つことができます。
今回は、「食べ物で歯を作る」ことについて、お話ししていこうと思います。
「歯は一度削ったら元には戻らない」と聞いたことがあるかもしれません。
確かに、むし歯で失われた歯質は自然に再生しません。
しかし、むし歯ができる前に、食べ物によって「歯を強くする」ことや「むし歯になりにくい環境を作る」ことは可能です。
それでは、歯に必要な栄養素と、その栄養素を持つ食べ物について紹介していきたいと思います。
【カルシウム】
カルシウムは歯や骨の主要な成分であり、不足すると歯の強度が弱まります。
イワシやシジミなどの魚介類、豆腐や納豆などの大豆製品、牛乳やチーズなどの乳製品、小松菜やワカメ、ひじきなどが挙げられます。
【ビタミンD】
カルシウムとセットでしっかり摂っておきたいのがビタミンDです。
ビタミンDはカルシウムの吸収を助け、しっかりと歯に定着させる役割を果たします。
サンマやシラスなどの魚介類、しいたけやキクラゲなどのきのこ類が代表的です。
【ビタミンA】
ビタミンAは、歯の表面を覆うエナメル質を強化するはたらきを持ちます。
カルシウムやビタミンDで強化した歯をしっかりとコーティングするために摂取しましょう。
リンゴやニンジン、パセリ、海苔やワカメなどに多く含まれます。
【唾液の分泌を促す食べ物】
唾液は、歯の細菌の繁殖を防ぎ、食事によってダメージを受けた歯の修復を促します。
食べ物をよく噛むことで唾液の分泌が促されるため、歯応えのある食べ物などがよいといわれています。
ゴボウやレンコンなどの根菜類や、リンゴ、梨などの果物、玄米や雑穀米などがおすすめです。
秋の味覚は魅力的ですが、やはり「食べ過ぎ」には注意が必要です。
特に甘いお菓子や果物の摂りすぎは、むし歯リスクを一気に高めてしまいます。
また、食後の歯磨きを怠ると、歯の表面に歯垢(プラーク)が残ります。
これが硬くなったものが「歯石」です。
歯石はブラッシングでは落とせず、歯周病の要因となる菌が繁殖する温床になります。
歯周病は進行すると歯ぐきが下がり、最終的には歯を失うことにつながる恐ろしい病気です。
「食欲の秋」に楽しく食べることは大切ですが、同時に「食べたら磨く」「定期的に歯科で歯石除去を受ける」といった習慣も心がけましょう。
秋の味覚は私たちの心と体を満たしてくれます。
しかし、美味しい食事を長く楽しむためには、歯の健康を守ることが欠かせません。
旬の食材には、歯を丈夫にする栄養素がたっぷり含まれています。
バランスのとれた食事と丁寧な歯磨き、そして定期的な歯科検診を組み合わせれば、きっと「食欲の秋」を何倍も楽しめます。
この秋は、美味しい食事とともに、健やかな歯を育みながら素敵な時間をお過ごしください。
摂津市・井高野で土曜日・日曜日も診療する歯医者
ひかり歯科クリニック摂津院